トムヤムクン |
書く必要はまったくないが、(土曜の夜はハイキングで疲労しているかもしれないので)、“あっはんうっふん”は金曜日の夜に済ませておいた。ハナキンならぬハメキンだ。
しかし暑いにもほどがあった。途中熱中症で倒れてしまうのではなかろうか?と、危惧した。途中からは、たいした登りでなくても振り返ると妻は遥か彼方坂の下をチンタラチンタラ歩くような状況である。
これはいかん!とルートを変更し、街に戻ったのが17時であった。
妻もヘトヘトであるが、暑さに弱い、夏が大嫌いな、「梅雨が明ける」と聞いただけで夏バテが始まってしまう私もヘロヘロになっていた。
ヘロヘトな2人が入ったのがタイ料理屋であった。場末のグルメブロガーな妻が見つけておいたタイ料理屋である。タイ人の女性しかいないタイ料理屋であった(勿論、カンボジア人でもラオス人でもミャンマー人でも見分けはつかないから、間違いなくタイ人であったかどうかは定かではない)。しかし日本の男性と結婚したのか?子どもは日本語で“ちんこの歌”をずぅーーーと歌っていた。時々、“おしっこの歌”や“うんちの歌”になったりもした。“ま○この歌”がなかったので、男女平等の観点からも、教えてやろうとしたが妻に激しく止められた。
まずは生ビールである。スーパードライ生である。“シンハー”じゃないの?と思うかもしれないが、シンハーじゃない。アサヒスーパードライ生である。しかし、なかった。「生ビール」のポスターが目立つところに5枚ぐらいは貼ってあったが、「生」はなかった。じゃ、せっかくだから「シンハービール」を注文したがこれもなかった。タイ料理屋なのにシンハービールもなかった。結局、普通のスーパードライになった。
料理はトムヤムクン、春雨のサラダ(名前覚えられない)、鳥の焼いたヤツ(同覚えられない)、カレー(同覚えられない)の4種類を注文する。
こんなにヘロヘロな状態でビールを飲むと恐ろしいスピードでアルコールが身体に回ってよりへロヘロになってしまうのではないかと思いながらも、喉が異様に乾き、脱水症気味であった為、グビグビとビールを飲み干した。
トムヤムクン登場である。
トムは煮る、ヤムは混ぜる、クンはエビのことである。エビ入りトムヤムスープということだ。鶏ならトムヤムガイ、烏賊ならトムヤムプラームックとなる。具によって名前が変わるのだ。知らなかった。私はタイのあんな感じのスープは全部トムヤムクンだと思っていた。「このトムヤムクンはエビが入っている」とか「これは鶏肉の入ったトムヤムクンだよ」みたいな。
さて、このトムヤムクンが旨い。妻は「私が今までの人生で食べたトムヤムクンの中で一番美味しい」と絶賛していた。そのぐらい美味しかった。
ただ、妻は私に以前「私が今までの人生で付き合った男の中であなたが一番素敵(はあと)」と言ったが、彼女が付き合った男性は5人、私が6人目だった。つまり6人中私が1番ということである。場末のグルメブロガーである妻だから、付き合った男の数以上にはトムヤムクンを食べているとは思うが、、、。
トムヤムクンだけでなく、春雨のなんとかサラダも鶏の焼いたヤツもなんとかカレーも総て美味しかった。バンコクの屋台の味を彷彿とさせる本場感である(行ったことないけど)。
“ちんこの歌”をバックにグビグビムシャムシャ飲み食いしているうちに、なんだか私はとっても元気になってきた。“ちんこの歌”効果なわけはなく、タイ料理に入れられたなんだかよくわからない香草類の効果であろう。身体の芯から元気が湧き出てくる感じである。疲れが吹っ飛んだ。こ、こ、これは凄い。「もしかしたら、私の夏バテも今年はトムヤムクンオーバードーズで乗り切れるかもしれない」そんな予感すらさせるモリモリ感である。
妻「なんか、元気になったんじゃない」
私「おおー、すごいわ。トムヤムクンのお陰のような気がする。復活したわ」
妻「帰ったらゴニョゴニョ(セックスのこと)できるぐらい?」
私「勿論!。3回はできるね。充電120%って感じ」
妻「しないけどね」
私「なんでよ!」
妻「私はまだヘトヘトなんです」
妻にはトムヤムクンパワーは効かなかったようである。あるいは、やはり、子どもたちに“ま○この歌”を歌わせるべきだったのかもしれない。